コエンザイムQ10の抗酸化作用

抗酸化作用を持つコエンザイムQ10

サプリメントや医薬品、化粧品などに配合されているコエンザイムQ10は、優れた疲労回復効果を持つ健康成分として知られています。
そしてもう一つの大きな効能が抗酸化作用です。コエンザイムQ10には体内で増えすぎた活性酸素を除去する働きがあります。

ただし、全てのコエンザイムQ10に抗酸化作用があるわけではありません。
コエンザイムQ10は大きく分けて酸化型と還元型があります。
このうち抗酸化作用が認められているのは還元型のみです。コエンザイムQ10は非常に酸化しやすい性質を持つため、サプリメントの多くは酸化型が採用されています。
だからといって酸化型を摂っても、抗酸化作用が全く期待できないわけではありません。酸化型は小腸で吸収される際に還元酵素によって還元型に変換されることで効果を発揮します。

増えすぎると細胞や血管を錆つかせる活性酸素

体内に取り込んだ酸素の一部は活性酸素に変化する

私たちは酸素を体内に取り込むことで生命を維持しています。人間の体を構成する60兆個の細胞は、酸素からエネルギーを作り出しています。酸素を十分に取り込めなくなると、エネルギーを効率的に作ることができなくなります。

一方で、老化や動脈硬化に酸素が関係していることが分かっています。その原因となるのが普通の酸素よりも反応性が高く、強い酸化力を持つ「活性酸素」です。
私たちが呼吸によって取り込んだ酸素のうち最大5%程度が活性酸素になります。運動などでたくさんエネルギーを消費する方ほど体内の活性酸素の量も多くなります。

細胞を酸化させる活性酸素

酸素は1分子につき4個の電子を受け取ることで水になります。4個の電子を受け取ることができずに、水になれなかった酸素は活性酸素となります。
この活性酸素は他の酸素と同じようになんとかして水になろうとし、周囲の細胞から電子を奪い取ってしまいます。電子を奪われた細胞は少しずつ酸化していきます。つまり体内で活性酸素が増えると周囲の細胞を錆つかせてしまうのです。

細胞が錆つくと活性が低下するため機能が低下して老化に繋がります。
分かりやすいのが肌の変化です。活性酸素が増えると肌のターンオーバー(新陳代謝)が遅れるため、肌荒れしやすくなり、シミやそばかすが出来やすくなります。

体に有用な働きもするが増えすぎると有害

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一方で、活性酸素は体に有用な働きもします。

免疫細胞である白血球は、体内に侵入してきたウイルスや細菌を撃退するときに活性酸素を用いています。
血管内では血流の悪化を防ぐために、増加したコレステロールを排除する働きをします。ところがこのときに悪玉コレステロールを酸化させてしまうため血管が硬くなり、中性脂肪やコレステロールが血管壁にくっつくことで血栓が作られて、動脈硬化を引き起こします。

つまり、活性酸素は体の機能を維持するためにある程度必要ですが、増えすぎると有害なのです。活性酸素は細胞がエネルギーを作る過程で発生するほか、紫外線、ストレス、喫煙、便秘などさまざまなことが原因で発生します。

活性酸素を除去する抗酸化物質

体内の抗酸化物質

このように増えすぎると有害な活性酸素ですが、私たちの体はただ増えるのを放置しているわけではありません。余分な活性酸素を中和して無力化するために「抗酸化物質」を作り出しています。

体内に存在する代表的な抗酸化物質は、ビタミンEとビタミンC、そしてコエンザイムQ10です。ビタミンEとビタミンCは人間の体内で生合成することができないため、食事から十分な量を摂る必要があります。
一方のコエンザイムQ10は体内で生合成することができます。つまりコエンザイムQ10は食事などからの摂取に依存しなくても、ある程度の量を自分で確保することができるのです。

脂肪の酸化を防ぐ抗酸化物質

体内の抗酸化物質のうちビタミンCは水溶性のため、水に溶けない脂肪の酸化を抑えることができません。

中性脂肪やコレステロールが活性酸素やフリーラジカルによって酸化すると、「過酸化脂質」という物質に変化します。
体内で過酸化脂質が増えると細胞の中で活性酸素やフリーラジカルを作り出し、さらに過酸化脂質を作り出す悪循環に陥ります。その結果、細胞を錆つかせることで老化させ、血液中の悪玉コレステロールを酸化させることで動脈硬化などを引き起こします。

このため、細胞や血管の錆つきを防ぐためには、脂肪の酸化を抑制する必要があります。脂肪が酸化しやすい理由は、リノール酸やアラキドン酸などの非常に酸化しやすい「多価不飽和脂肪酸」を含んでいるためです。

ビタミンEとコエンザイムQ10は脂に溶ける脂溶性ですから、脂肪に働きかけることができ、過酸化脂質が作られるのを防ぐ働きがあります。

【フリーラジカルとは】

全ての物質は分子から成り立ち、通常は二つの電子が対を成すことで安定して存在しています。ところがフリーラジカルは電子が対を成さず、不足しているためとても不安定です。
活性酸素と同じように周囲の細胞から電子を奪い取ることで酸化させる性質があります。「ラジカル=過激な」の意味の通り反応性が高いため、細胞を酸化させる力が強いのが特徴です。

【多価不飽和脂肪酸とは】

脂肪を構成する脂肪酸は、その構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれています。不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分れています。
どちらも体内で生合成できないため、魚や植物油などから必ず摂取しなければいけない必須脂肪酸です。

このうち多価不飽和脂肪酸には、動脈硬化や血栓が出来るのを防ぎ、血圧を下げることで高血圧を予防し、悪玉コレステロールを減らす作用があります。
一方で熱や光、酸素によって酸化しやすいという性質があります。過酸化脂質に変化すると体に害を及ぼすため、活性酸素の増加に注意する必要があります。

加齢によって減少する抗酸化物質

体内の抗酸化物質は加齢によって減少してしまいます。中高年世代になると体内の活性酸素が増えるのは、抗酸化物質が減ることで活性酸素の除去が追いつかなくなるためです。
ですから細胞や血管の酸化を防ぐためには、体外から抗酸化物質を補う必要があります。

とはいえコエンザイムQ10は体内で生合成することができます。意識して食事やサプリメントから摂らなくても「不足することはないのでは」と思いがちです。

しかし、その生合成量は加齢によって減少するため、年齢を重ねると体内のコエンザイムQ10が不足しやすくなります。
また、コエンザイムQ10とともに脂肪の酸化を防ぐビタミンEは、単独では働くことができません。そのため食事やサプリメントからコエンザイムQ10を積極的に摂る必要があります。

還元型コエンザイムQ10の抗酸化作用

脂質の酸化を抑える還元型コエンザイムQ10

先述した通り、抗酸化作用を持つコエンザイムQ10は還元型のみです。これは、酸化型が還元型に変換されている場合にのみ、脂質の酸化が抑制されるためです。
加齢やストレス、病気によって酸化型の割合が増加することからも、還元型が抗酸化物質として働いていることを裏付けています。還元型コエンザイムQ10の抗酸化作用は、1982年にラットを使った実験で明らかになっています。

【コエンザイムQ10の抗酸化作用を示す実験結果】

動脈の血量が低下して虚血状態になると、血流を回復させるために再灌流(血流の再開)が起こります。このときに活性酸素が発生して細胞が傷ついてしまいます。これが虚血再灌流傷害です。
肝臓に肝虚血再灌流傷害を発生させたラットは、脂肪過酸化の指標である「TBA陽性物質」が増加します。そこで予めコエンザイムQ10を投与することでどのような変化があるのか調べました。

その結果、TBA陽性物質が抑制されて、生存率が向上することが確認されました。また、このときに細胞内で減少するのは還元型コエンザイムQ10のみであり、同時に投与した酸化型のコエンザイムQ10は肝臓に移行して、一部が還元型に変換されることが確認されました。
これは還元型コエンザイムQ10によって活性酸素が除去されて、肝虚血再灌流傷害を抑制することを示しています。(参考元1)

ビタミンEと同等の抗酸化作用

これまでの研究では、還元型コエンザイムQ10はビタミンEと反応速度が同等であることが分かっています。これはビタミンEと同じくらいの抗酸化作用があることを示しています。
優れた抗酸化作用を持つビタミンEは、加工食品やサプリメントの保存性を高める目的で酸化防止剤として使われています。

また、コエンザイムQ10が利用されるミトコンドリア内膜では、ビタミンEよりもコエンザイムQ10の濃度が数倍高いことが分かっています。
ミトコンドリアは私たちの体を構成する60兆個の細胞一つ一つに存在する小器官です。細胞の酸化を防ぐためには、ミトコンドリア内のコエンザイムQ10の働きがより重要になります。

ビタミンEと相性の良いコエンザイムQ10

コエンザイムQ10はビタミンEと相性が良く、両方が働くことで相乗効果が期待できます。
ビタミンEはフリーラジカルを除去する過程で、ビタミンEラジカルという物質に変化します。
ところが、ビタミンEラジカルは酸化の原因である脂質ヒドロペルオキシドという物質を蓄積してしまいます。そのためビタミンE単独では脂質の酸化を抑制することができないばかりか、逆に酸化を促進させてしまいます。

しかし、コエンザイムQ10やビタミンCなどの抗酸化物質が存在すると、ビタミンEラジカルがビタミンEに還元されるため、脂質の酸化を抑制することができます。つまりビタミンEが抗酸化作用を十分に発揮するためには、コエンザイムQ10やビタミンCの存在が不可欠なのです。

【コエンザイムQ10がビタミンEの酸化促進を防ぐ働きを示す実験結果】

酸化させた人間の血漿にビタミンE、ビタミンC、コエンザイムQ10を投与して、血漿中に含まれる過酸化脂質の量を調べました。
その結果、コエンザイムQ10とビタミンCが残っている間は、目立った過酸化脂質の増加が認められませんでした。逆にコエンザイムQ10とビタミンCが消失すると、ビタミンEが残っているにも関わらず過酸化脂質が増加しました。(参考元1)

参考元1:コエンザイムQ10の基礎と応用 コエンザイムQ10協会編 丸善出版

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