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コエンザイムQ10と降圧剤の飲み合わせ

コエンザイムQ10には降圧剤の作用を増強する可能性がある

血圧を下げる薬である降圧剤を服用している方は、コエンザイムQ10と併用することで副作用が引き起こされる可能性があります。
コエンザイムQ10には血流を整える作用があり、降圧剤の作用が増強して必要以上に血圧が下がってしまう恐れがあります。降圧剤との併用を直ちに止める必要はありませんが、念のため血圧の変動に注意が必要です。

コエンザイムQ10は血圧に影響を与える

心臓の働きに必要なATPの生成を促す

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コエンザイムQ10は細胞の小器官であるミトコンドリアの働きを助ける補酵素です。ミトコンドリアでは生命維持に不可欠なATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー源を作り出しています。
このATPを最も必要としているのが1日に10万回以上の拍動を行う心臓です。コエンザイムQ10によってミトコンドリアが活性化されることで、心臓の細胞内でATPの生成が促されます。

ポンプ機能を強化し血流を整える

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心臓は体内で最も消耗の激しい器官であり、大量のエネルギーを必要としています。この心臓の働きを支えているのが、血液を大動脈に押し出すポンプ機能を担っている心筋です。
コエンザイムQ10によって大量のATPが供給されると、ポンプ機能が強化されて、全身に血液を送り出す「心拍出量」が上がります。それによって血流が整えられて、血圧にも影響を与える可能性があります。

高血圧を改善する

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コエンザイムQ10には心臓の力である心拍出量と、血液を心臓に送り返す力である「総末梢循環抵抗」のバランスを改善する働きあります。さまざまな研究によって高血圧に対する有効性が示唆されています。
本態性高血圧患者96名を対象にした試験では、コエンザイムQ10を摂ることで高血圧が改善されたという報告があります。(参考元1)
またコエンザイムQ10を摂ることで、降圧剤の用量を減らしたり、服用そのものを止めることができるという前向きな意見が出されています。

降圧剤の作用を増強する可能性がある

一方でコエンザイムQ10と降圧剤が相互作用することで、作用が増強される可能性が指摘されています。
本態性高血圧患者109名に降圧剤と併用して大量のコエンザイムQ10を摂ってもらったところ、血圧が低下する場合があることが分かっています。(参考元2)
可能性は低いと考えられていますが、血圧が必要以上に下がることで体調が悪化する恐れがあります。血圧が高めの方は、コエンザイムQ10の血圧に与える影響を考えて慎重に摂る必要があります。

コエンザイムQ10と降圧剤を併用する際の注意点

まずかかりつけの医師に相談する

降圧剤を服用している方は、コエンザイムQ10の摂取を開始する前に必ずかかりつけの医師に相談し、適切な指示を得てください。
飲み合わせによって深刻な副作用が引き起こされる可能性は低いと考えられていますが、自己判断は禁物です。

既に併用している方は直ちに止める必要はない

既にコエンザイムQ10と降圧剤を併用している場合、直ちに止める必要はありません。降圧剤の作用増強はあくまで理論上の可能性に過ぎないからです。
これまでのところコエンザイムQ10と降圧剤を併用することで、深刻な副作用が発生したという報告はありません。一概に飲み合わせが危険という判断はできないのです。
コエンザイムQ10には血圧が急激に下がるほどの強い作用はないため、血圧の変動に注意すれば、降圧剤と併用しても大きな問題はありません。朝と夕方の1日2回、忘れずに血圧を測って様子を見てください。

過剰摂取を避ける

もともと人間の体内に存在するコエンザイムQ10は、非常に安全性が高く、副作用が少ない成分です。
一方でコエンザイムQ10を大量に摂ると副作用が引き起こされるという指摘があります。降圧剤を服用している方は、コエンザイムQ10の摂取量が多いほど作用が増強される恐れがあります。
ただし、これまでのところどれくらいの量の摂取であれば副作用が起きず安全であるかは分かっていません。いずれにしても常識の範囲内での摂取を心がけましょう。
コエンザイムQ10をサプリメントから摂っている方は、パッケージなどに書かれている1日の摂取目安量を守り、摂り過ぎないようにしましょう。

ビタミンEと併用している方は注意

ビタミンEには優れた抗酸化作用があり、体内で消費されたコエンザイムQ10を元に戻す働きがあります。コエンザイムQ10と相性が良いため、サプリメントから一緒に摂っている方も多いのではないでしょうか
一方でビタミンEには血管を拡張する作用があります。コエンザイムQ10よりも作用が強いと考えられ、摂り過ぎると血圧が必要以上に下がってしまう恐れがあります。
降圧剤を服用している方は、コエンザイムQ10とビタミンEの併用に注意してください。

降圧剤の服用を優先する

もし血圧が下がりすぎていることが分かった際は、降圧剤の服用を優先してコエンザイムQ10の摂取を中止してください。
コエンザイムQ10がいくら体に良い成分だからといって、治療薬よりも優先して摂るのはお勧めできません。高血圧の治療を中止して、症状を悪化させてしまっては本末転倒です。

参考元1:Blood pressure lowering efficacy of coenzyme Q10 for primary hypertension.
参考元2:Treatment of essential hypertension with coenzyme Q10.

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