植物油に含まれるコエンザイムQ10
植物油に含まれるコエンザイムQ10
コエンザイムQ10は植物油からも摂ることができる
優れた疲労回復効果や抗酸化作用を持つことで知られるコエンザイムQ10は、食事から摂ることができる成分です。私たちが日常的に食べている多くの食品に含まれています。
コエンザイムQ10は脂に溶ける脂溶性で、脂質の一種です。そのため大豆や菜種などの原料を搾った植物油に比較的多く含まれています。
毎日の食事からコエンザイムQ10を賢く摂るためには、植物油を使ったメニューを積極的に取り入れると良いでしょう。
コエンザイムQ10の含有量
100gあたりに含まれるコエンザイムQ10の量は以下の通りです。
大豆油 | 9.2mg |
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菜種油 | 7.3mg |
ごま油 | 3.2mg |
綿実油 | 1.7mg |
オリーブオイル | 3.0mg |
トウモロコシ油 | 1.3mg |
植物油から必要な量のコエンザイムQ10を摂るためには
コエンザイムQ10を豊富に含む大豆油と菜種油
コエンザイムQ10は私たちが日常的に摂っている植物油に比較的多く含まれています。その中でも特に多く含まれているのが大豆油と菜種油です。
大豆油は多くの人にとって馴染みのない油ですが、安価であるのがメリットです。一方で独特の臭みがあるため主に他の油と混ぜて使います。
身近なところでは家庭で使われる機会の多いサラダ油に多く含まれています。ほかにもマヨネーズやドレッシング、ツナ缶などに使われています。
菜種油は酸化や熱に強く、大豆油とともにサラダ油の主原料として使われています。キャノーラ油も菜種油の一種です。とはいえ大豆油や菜種油は、高カロリーでこってりとしているため一度にたくさん使うことができません。
オリーブオイルがお勧め
効率的にコエンザイムQ10を摂りたい方にお勧めは、オリーブの果実を搾ったオリーブオイルです。コエンザイムQ10の含有量は100gあたり3.0mg程度であり、大豆油や菜種油の半分以下と少なめです。
ですが、なんと言っても、他の植物油と比べて低カロリーでさっぱりしている点が魅力です。パスタやサラダにたくさんかけても油っこくなりません。
また酸化に強い性質を持つため、動脈硬化などのリスクが低く体に優しい油でもあります。オリーブオイルは毎日摂っても健康に悪影響がありませんし、他の植物油よりもたくさん摂ることができます。
植物油をたくさん摂るのは困難
植物油にいくらコエンザイムQ10が豊富に含まれているとはいえ、肉や魚と比べると毎日の摂取量はそれほど多くありません。コエンザイムQ10を植物油だけから摂るのはかなり大変です。
大豆油や菜種油にこれだけ多くのコエンザイムQ10が含まれているのですから、「十分な量を摂れるのでは」と思いがちですがそうではないのです。
健康を維持するためには多くの人が考えている量よりもたくさん摂る必要があります。これは加齢やストレス、病気によって体内のコエンザイムQ10が減少するためです。
ではどれくらいの量を摂れば良いのでしょうか? 健康増進や老化予防を目的とする場合、一般的に1日あたり60~100mgが目安とされています。なおこの量は専門家が推奨している量であり、厚生労働省がお墨付きを与えているわけではありません。
仮に1日100mg摂ろうとすると、大豆油でも約1L、ごま油やオリーブオイルでは約3.3L摂る必要があります。これだけの量の植物油を摂るのは現実的ではありません。
日本人の平均摂取量は1日6.5mg
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日本人が食事から摂取しているコエンザイムQ10の量は平均6.5mg程度です。(参考元1)日本では油脂類の摂取量が昭和の中頃から右肩上がりに増えています。
それでもこれだけの量しか摂れていないのです。このことはいかに食事から1日に必要な量のコエンザイムQ10を摂るのが困難であるかを表しています。
植物油からコエンザイムQ10を摂るメリット
植物油を摂るメリットもあります。植物油にはオレイン酸やリノール酸といった「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。
バターやラードなどの動物性の油は飽和脂肪酸を多く含んでいるため、摂りすぎると血中中性脂肪やコレステロールが増加してしまいます。
一方の植物油に含まれる不飽和脂肪酸には、血中中性脂肪やコレステロールを下げる作用があり、血流を改善し動脈硬化を予防する効果が期待できます。
コエンザイムQ10にも血流を改善する働きがありますから、植物油に含まれる不飽和脂肪酸と一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。
肉や魚と組み合わせると効果的
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植物油からコエンザイムQ10を摂ることができるとはいえ、水や清涼飲料水のように飲むわけにはいきません。上手く料理に活用する必要があります。
そこでお勧めなのが肉や魚を使ったメニューに加える方法です。コエンザイムQ10は植物油だけでなく、肉や魚にも比較的多く含まれています。
ですから植物油と肉もしくは魚、あるいは両方を使ったメニューを毎日の食事に取り入れることで、効率的にコエンザイムQ10を摂ることができます。
炒め物、揚げ物、パスタ料理、サラダなどさまざまなメニューに挑戦してみてはいかがでしょうか。
コエンザイムQ10は植物油以外にも様々な食品に含まれています。
詳細は以下の記事をご覧ください。
参考元1:「コエンザイムQ10」で元気が出る、病気が治る! 永田勝太郎著 日本文芸社