コエンザイムQ10のサプリメントや化粧品が引き起こすアレルギー
体の疲れを取り美肌効果も期待できるコエンザイムQ10は、いま人気の健康成分です。サプリメントから気軽に摂れるほか、最近では化粧品にも配合されています。
そこで気になるのがアレルギーの有無です。
食品アレルギーをお持ちの方は何かと神経質になりがちですが、コエンザイムQ10そのものにアレルギーは確認されていません。
ただし、サプリメントや化粧品にはコエンザイムQ10以外にも、食品由来の原材料や添加物がいくつも使われています。
食品アレルギーをお持ちの方は、コエンザイムQ10以外の原材料や添加物が原因でアレルギー症状が起こる可能性があります。
コエンザイムQ10そのものにアレルギーは確認されていない
体内にもともと存在し安全性の高さが認められている
コエンザイムQ10は私たちの体内にもともと存在する成分です。安全性の高さと副作用の少なさが認められています。
重篤な副作用はほとんど報告されていません。これまでのところコエンザイムQ10による死亡事故は発生していません。
アレルギーは確認されていない
コエンザイムQ10そのものが原因で、アレルギーが引き起こされたという報告はありません。私たちの体内でコエンザイムQ10はミトコンドリアの働きを助ける補酵素として存在しています。
誰もが体内に持つ成分であることから、コエンザイムQ10そのものがアレルギーの原因になることは考えられません。
アレルギーを引き起こす原材料や添加物が使われていることがある
コエンザイムQ10以外にさまざまな原材料や添加物が使われている
コエンザイムQ10のサプリメントや化粧品には、コエンザイムQ10以外にもさまざまな原材料や添加物が使われています。
コエンザイムQ10そのものにアレルギーを起こす恐れがなくても、一緒に配合されている原材料や添加物でアレルギーを起こす可能性があります。
アレルギー症状を起こす可能性のある主な原材料と添加物
コエンザイムQ10のサプリメントや化粧品に使われ、アレルギー症状を起こす可能性のある原材料と添加物には以下のようなものがあります。
- ・乳化剤
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コエンザイムQ10の体内での吸収性を高める目的で使われます。大豆や卵由来の成分が含まれているため、大豆や卵のアレルギーをお持ちの方は摂ることができません。
一方で乳製品は使われていないため、牛乳アレルギーをお持ちの方は摂ることができます。
- ・レシチン
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大豆や卵由来の脂質の一種で乳化剤として使われます。大豆アレルギーをお持ちの方は摂ることができません。
- ・大豆油
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ソフトカプセルのコエンザイムQ10に使われることがあります。大豆アレルギーをお持ちの方は摂ることができません。
- ・乳糖(ラクトース)
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牛乳などの乳製品由来の甘味料です。牛乳アレルギーをお持ちの方は摂ることができません。
- ・ゼラチン
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コエンザイムQ10を包んだり固める目的で使われます。世界で100万人に30人程度と極めて少数ですが、ゼラチンによってアレルギー症状が起こる可能性があります。
購入前に原材料表示を確認する
食品アレルギーをお持ちの方は、コエンザイムQ10のサプリメントや化粧品を購入する前に、必ず原材料表示を確認してください。
特定原材料に指定されている卵、小麦、えび、かに、そば、落花生、乳については表示が義務づけられています。大豆やゼラチンなど特定原材料に準ずる20品目についても表示が推奨されています。
大豆や乳製品といったアレルギー症状を起こす恐れのある食品由来の原材料と添加物には、「大豆由来」などと記載されています。
同じ工場でアレルギー症状を起こす恐れのある食品を製造または加工している場合も記載があります。
コエンザイムQ10配合の化粧品はアレルギーテスト済みであるか確認する
最近では美容効果を期待して、コエンザイムQ10を配合したスキンケア化粧品が少しずつ増えています。
化粧水やクリームなどは肌に直接塗るものですから、サプリメントの摂取と同じように食品アレルギーをお持ちの方は注意が必要です。
そこでお勧めなのが「アレルギーテスト済み」の化粧品です。
メーカーが独自に行うアレルギーテストでは、人間の皮膚に原料や製品を一定時間貼り付けることでアレルギー性を評価しています。
このテストで陰性と確認された製品には「アレルギーテスト済み」と表示されます。食品アレルギーをお持ちの方でも安心して使うことができます。
アレルギー症状が出たらすぐに摂取や使用を中止する
発疹などのアレルギー症状が出た場合は、すぐにサプリメントの摂取や化粧品の使用を中止してください。アレルギーの原因を突き止めるためには、その日に摂った全ての食品を調べる必要があります。
他の食品が原因であり、コエンザイムQ10のサプリメントや化粧品には全く問題がない可能性もあります。しかし、アレルギーの原因を突き止めるまでには時間がかかるため、念のため摂取や使用を中止する必要があります。