コエンザイムQ10でメタボリックシンドロームを改善する
コエンザイムQ10にはメタボリックシンドロームを改善する効果が期待できる
体内のエネルギー産生効率を高め、増えすぎた活性酸素を除去するコエンザイムQ10には、「メタボリックシンドローム」を改善する効果が期待できます。
中高年男性を中心に増えているメタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満と、高血圧、高血糖、高コレステロールなどが重なった状態です。
コエンザイムQ10は代謝を高めることで肥満を解消に導きます。さらに抗酸化作用によって「高脂血症」「動脈硬化」「脂肪肝炎」といったメタボリックシンドロームと関連性の強い病気を予防します。
健康診断などでメタボリックシンドロームが指摘されている方は、コエンザイムQ10を積極的に摂ると良いでしょう。
メタボ改善に嬉しいコエンザイムQ10の働き
代謝を高めて太りにくい体へと変える
コエンザイムQ10には体内のエネルギー産生効率を高める働きがあります。私たちの体は食事から取り込んだ炭水化物、脂質、たんぱく質を材料に、細胞の小器官であるミトコンドリアがエネルギーを作り出しています。
この働きを助けているのが補酵素であるコエンザイムQ10です。ところが摂取エネルギーが消費エネルギーより多すぎると、使われずに残った栄養素が体脂肪として蓄積されてしまいます。
コエンザイムQ10によってミトコンドリアが活性化されると、作られるエネルギーの量が増えて基礎代謝(※1)が向上します。
その結果として、内臓脂肪が燃焼されやすくなり、太りにくい体へと変わることで肥満の解消へと繋がります。脂肪燃焼作用があるL-カルニチンと併用するとさらに効果的です。
(※1)呼吸や体温の調節、内臓の消化活動などで消費される、生命維持に不可欠な最低限のエネルギーのこと。基礎代謝が上がると、運動をしなくても消費するエネルギーが増えるので太りにくくなる。
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血管の老化を防いで動脈硬化を予防する
メタボリックシンドロームと密接な関係がある血管の老化
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メタボリックシンドロームを予防するためには、血管をアンチエイジングして老化を防ぐことが重要です。体内で有害な活性酸素(※2)が増えすぎると、強い酸化作用によって血管を錆つかせ老化を進めてしまいます。
さらに血中悪玉コレステロールや中性脂肪が増加すると、活性酸素によって酸化して「過酸化脂質」に変わり、動脈硬化が引き起こされます。(※2)呼吸から取り入れた酸素の一部が活性酸素に変わる。増えすぎると正常な細胞を酸化させて様々な悪影響を及ぼす。紫外線やストレス、喫煙などでも体内に発生する。
血管をアンチエイジングするコエンザイムQ10
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肥満になると体内の活性酸素が増加するため、動脈硬化を進行させてしまいます。メタボリックシンドロームの改善には活性酸素対策が不可欠です。
コエンザイムQ10には優れた抗酸化作用があり、体内で増えすぎた活性酸素を除去して、脂質の酸化を防ぐ働きがあります。過酸化脂質の生成が抑制されることで、血管をアンチエイジングして動脈硬化を予防します。
コレステロール値を引き下げる作用を持つDHA・EPAと併用すると、血液がサラサラになり「高脂血症」も合わせて予防することができ、さらに効果的です。
肝機能を高めて非アルコール性脂肪肝炎を防ぐ
メタボリックシンドロームが引き起こす脂肪肝
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体内でインスリンが過剰に分泌されると、肝臓に中性脂肪が蓄積されて「脂肪肝」が引き起こされます。このうち飲酒と関係のない「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」は、肥満やメタボリックシンドロームが主な原因です。
活性酸素によって肝機能が低下すると脂肪肝炎へ進展する
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体内の活性酸素が増加すると、肝臓がダメージを受けて炎症などを引き起こし肝機能が低下してしまいます。その影響で脂肪肝から「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」へと進展することがあります。
非アルコール性脂肪肝炎は、メタボリックシンドロームの症状である肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化などと関連性の強い症状です。
肝機能を高めるコエンザイムQ10
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そこで期待されているのがコエンザイムQ10が持つ優れた抗酸化作用とエネルギー産生作用です。
この二つの作用が合わさることで、肝臓が活性酸素によってダメージを受けるのを防ぎ、エネルギーを供給して肝細胞を活性化します。
その結果として肝機能が高まり、メタボリックシンドロームが原因で発症する非アルコール性脂肪肝炎を予防する効果が期待できます。
実際に非アルコール性脂肪肝炎の人にコエンザイムQ10を摂らせることで、肝機能の低下を示すAST、ALT、γ-GTPの三つの数値が低下することが知られています。(参考元1)
酸化ストレスを軽減して糖尿病を緩和する
体内の活性酸素が増加すると、細胞がダメージを受ける「酸化ストレス」によって糖尿病が進行するとされています。
優れた抗酸化作用を持つコエンザイムQ10には、酸化ストレスを軽減する効果があり、糖尿病治療に有効と考えられています。
ただし全てのコエンザイムQ10に同じ効果が期待できるわけではありません。コエンザイムQ10は大きく分けて酸化型と還元型があります。
このうち還元型には食後のインスリン分泌を促す作用があり、血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。
還元型コエンザイムQ10によって糖尿病の症状が緩和されることで、メタボリックシンドロームの改善にも繋がります。
関連記事:糖尿病を改善するコエンザイムQ10
関連記事:還元型コエンザイムQ10とは
運動によってメタボリックシンドロームを克服する
メタボリックシンドロームの改善には運動が必要
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メタボリックシンドロームは血管のアンチエイジングや肝機能の向上だけでは改善しません。コエンザイムQ10によってせっかく代謝が向上しても、全く体を動かさなければ意味がありません。
蓄積された中性脂肪を燃焼させるためには適度な運動が必要です。運動を行うことで血圧やコレステロール値の上昇を抑えることができます。ウォーキングやジョギングなど無理のない範囲で体を動かしましょう。
さらに運動で筋肉がつくと、インスリンの分泌が抑えられるため、メタボリックシンドロームの症状の一つである「糖尿病」の予防にも繋がります。
運動前に摂りたいコエンザイムQ10
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メタボリックシンドロームの改善には運動が有効とはいっても、体に疲れが溜まっていると満足に体を動かすことができません。
コエンザイムQ10によって体内のエネルギー産生効率が高まると、疲労の回復が促され、疲れが溜まりにくくなります。体が疲れを感じにくくなると、自然に体を動かせるようになります。
さらにコエンザイムQ10には運動のパフォーマンスを高める働きもありますから、運動前に摂るとより効果的です。
参考元1:コエンザイムQ10の基礎と応用 コエンザイムQ10協会編 丸善出版