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コエンザイムQ10はこんな人に適している

中高年世代の方

加齢によって減少するコエンザイムQ10

私たちの体内に存在するコエンザイムQ10の量は20歳を境に減少していきます。減少のペースは器官によって異なり、活発に代謝する器官ほど多くのエネルギーを必要とするため早く減少します。
中でも片時も休みなく稼動し続ける心臓は必要とするエネルギーが他の器官よりも多く、最も早くコエンザイムQ10を消費します。
20歳のときを100とすると心臓のコエンザイムQ10量は、40歳で68.2%、80歳では42.9%と半分以下まで減少します。腎臓は40歳で72.6%まで減少した後は80歳までほぼ横這いですが、それでも2/3程度まで減少するため影響は小さくありません。
肺は40歳までは全く減少しませんが、40歳を過ぎたあたりから急激な下降カーブを描き、80歳になると51.7%まで減少してしまいます。(参考元1)

コエンザイムQ10が著しく減少した器官は機能が低下するため、健康を維持することが難しくなります。心臓機能の低下は心不全などの心臓病のリスクを高めるため、特に注意が必要です。

歳を重ねると酸化型が増える

コエンザイムQ10は大きく分けて酸化型と還元型があります。体内で利用できるのは還元型のみです。とはいえ酸化型であっても還元型に変換することで利用することができます。
一方でコエンザイムQ10は酸化に弱いという欠点があります。歳を重ねると体内に余分な活性酸素が増えるため、酸化の影響を受けやすくなります。
さらに体内で還元型に変換できる量も減ってしまいます。変換されなかったコエンザイムQ10は利用することができませんから、そのまま尿や便と一緒に排出されてしまいます。
そのため中高年になると還元型の割合が低下して酸化型が増えてしまいます。

還元型がおすすめ

コエンザイムQ10は中高年世代の方にこそ積極的に摂って欲しい成分です。加齢によって減少したコエンザイムQ10は食事やサプリメントから補う必要があります。
おすすめなのは還元型のコエンザイムQ10です。体内で変換しなくてもすぐに利用できるため即効性があります。酸化型よりも体内で利用できる量が多いため、より多くのエネルギーを全身に届けることができます。
また、コエンザイムQ10の代表的な効能である抗酸化作用は、還元型のみに認められています。体内の余分な活性酸素が除去されることで、アンチエイジング効果が期待でき、動脈硬化などの生活習慣病の予防に繋がります。

ストレスが多い方

ストレスが体内のコエンザイムQ10を減らす

日々多忙な生活を送る現代人は仕事や人間関係が負担になりやすく、強いストレスに晒されがちです。ストレスの多い生活が続くと心身にさまざまな悪影響が表れます。
その一つが体内にあるコエンザイムQ10の減少です。実際にストレスが多いと感じている方は、コエンザイムQ10の血中濃度が低下していることが分かっています。

ストレスの緩和に繋がるコエンザイムQ10

ストレスの多い生活で減ったコエンザイムQ10は、食事やサプリメントで補うことができます。しかし、いくら補っても原因であるストレスを緩和しなければ根本的な解決にはなりません。
実はコエンザイムQ10はストレスの緩和にも有効です。コエンザイムQ10には疲労回復効果があり、仕事や家事で疲弊した体を癒してくれます。
エネルギーがたくさん作られることで体に元気と活力を与えてくれます。その結果としてQOL(生活の質)が改善され、ストレスの緩和にも繋がります。

心臓に不安を抱えている方

コエンザイムQ10を最も多く消費する心臓

先述した通り、体内でコエンザイムQ10を最も多く必要としているのは、24時間365日休みなく稼動し続ける心臓です。
体内でコエンザイムQ10が不足すると心臓機能の低下に繋がります。逆に言えば心臓に不安を抱えている方は、コエンザイムQ10を摂ることで心臓機能を回復させる効果が期待できます。

コエンザイムQ10は心臓病の治療薬

日本でコエンザイムQ10は心臓病の治療薬として開発された経緯があります。1973年に心臓の機能が低下する「うっ血性心不全」の治療薬として認可され、1980年代には年間600万人の方が服用していました。
医師が使う薬のほか、現在では大手製薬メーカーが製造するOTC医薬品を薬局で自由に買うことができます。より気軽に買えるサプリメントもありますが、健康食品のため効果は保証されていません。
心不全を患っている方、心臓に不安を抱えている方にコエンザイムQ10はおすすめです。必ず医師と相談のうえで利用してください。

スタチン系の薬剤を服用している方

スタチン系の薬はコエンザイムQ10の生合成を抑制する

高脂血症の治療薬であるスタチン系の薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)は、コレステロールの生合成を抑制する作用があります。
血中コレステロール値を下げるためには非常に有効な薬ですが、一方で副作用も指摘されています。その一つがコエンザイムQ10が生合成されるのを抑制する作用です。
その結果として体内のコエンザイムQ10が不足し、体の機能維持に必要な量のATP(アデノシン3リン酸)が作られなくなります。このような状態のことを「コエンザイムQ10欠乏症」と呼びます。
特に欠乏症によって心臓機能が低下すると、エネルギーを循環させる機能に障害が出るため、重篤な症状を引き起こすことがあります。

不足するコエンザイムQ10を補うことで欠乏症を予防できる

体内で使われるコエンザイムQ10のうち約半分はミトコンドリア内にある合成酵素によって生合成され、残りは肉や魚などの食品から摂取しています。
若くて健康な方であれば生合成と食品からの摂取によって必要な量を確保することができます。しかし、高脂血症の治療にスタチン系の薬剤を服用している方は、体内のコエンザイムQ10が不足しやすくなります。
もちろん食品から不足分を補うことができますが、一つ一つの食品に含まれるコエンザイムQ10は少量です。食事を工夫するだけでは限界があります。
そこでサプリメントから効率よく摂取することで、スタチン系の薬剤によって減ったコエンザイムQ10を補いましょう。

スポーツをしている方

運動に不可欠なATP

コエンザイムQ10がサポートしミトコンドリアが作り出すATPは、あらゆる生命活動に欠かせないエネルギー源です。運動する習慣のある方は、筋肉の収縮に多くのATPを消費します。
コエンザイムQ10は健康維持だけでなく、スポーツにおいても有効であり、パフォーマンスを高める効果が期待されています。

トレーニングを積んだ人と積んでいない人を比較した研究では、コエンザイムQ10の有用性が示されています。
コエンザイムQ10を摂取すると血漿コエンザイムQ10レベルが増加し、筋肉中のコエンザイムQ10レベル、最大酸素摂取量、運動時間の増加に繋がることが確認されました。(参考元2)

運動によって減少するコエンザイムQ10

スポーツなど激しい運動を習慣的に行う方は、普通の人よりも多くのエネルギーを消費するため、より多くのATPを循環させる必要があります。
このため激しい運動を行っている人ほど、コエンザイムQ10が減少しやすいとされています。実際に運動を行うことで血液中のコエンザイムQ10レベルが低下することが分かっています。
つまり運動することによって、筋肉などからコエンザイムQ10が失われていくのです。日常的にスポーツなどで体を酷使しているとエネルギー不足に陥りかねないのです。

コエンザイムQ10を多めに摂って不足を補う必要がある

スポーツを行う方は体力を早く回復させるために、カロリーを多めに摂ります。しかし、摂取カロリーやたんぱく質などの栄養素には気を配っていても、コエンザイムQ10の不足には気付かない人が大半です。

習慣的なスポーツを行っている方は、コエンザイムQ10を多めに摂って不足分を補う必要があります。筋肉に豊富なATPが送られることで、運動によって引き起こされる筋損傷を軽減する効果も期待できます。

もちろん運動後の疲労回復にも有効です。また、ジョギングなどの有酸素運動を行う方は、体内の活性酸素が増える傾向にあります。抗酸化作用を持つ還元型のコエンザイムQ10がおすすめです。
最近ではアスリート向けのサプリメントも登場しています。健康維持と運動のパフォーマンス向上のために上手に活用すると良いでしょう。

参考元1:コエンザイムQ10が加齢・ストレスで減少する!?|カネカ健康カガク・ラボ
参考元2:コエンザイムQ10の基礎と応用 コエンザイムQ10協会編 丸善出版

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