コエンザイムQ10とビタミンKの飲み合わせ
ビタミンKの血液凝固作用を補うコエンザイムQ10
疲労回復効果や抗酸化作用など優れた効能を持つコエンザイムQ10は、体内でビタミンKと同じ働きをする成分でもあります。
ビタミンKには出血時に血液を固める因子(血液凝固因子)を活性化する働きがあります。コエンザイムQ10にも血液凝固作用があります。
このため二つの成分は相性が良く、ビタミンKの働きをコエンザイムQ10が補ってくれます。健康な血液を維持するために、コエンザイムQ10とビタミンKを併用すると良いでしょう。
コエンザイムQ10が持つビタミンK様作用
脂に溶ける脂溶性のコエンザイムQ10は、ビタミンに近い働きをすることから「ビタミン様物質」と呼ばれています。ビタミンKは脂溶性のビタミンであり、コエンザイムQ10と性質に共通点があります。
ビタミンKは肝臓内で生成される血液凝固因子を活性化することで、出血したときに血が固まるのを促します。私たちが擦り傷や切り傷などを負っても、すぐに血が止まるのはビタミンKが働くおかげです。
コエンザイムQ10にもビタミンKと同じように血液凝固を促す「ビタミンK様作用」があります。このためコエンザイムQ10とビタミンKは相性が良い組み合わせと言えます。
ビタミンKの不足を補うコエンザイムQ10
ビタミンKは食事から補う必要がある
ビタミンKは体内でビフィズス菌などの腸内細菌によって合成することができます。しかし、腸内細菌だけでは必要な量を確保できないため、食事から補う必要があります。
ビタミンKが含まれる食品としては、納豆、小松菜、ほうれんそう、春菊、シソ、ブロッコリー、大豆油などがあります。通常の食生活を続けている限りは、ビタミンKが不足することはほとんどないと考えられています。
それでもビタミンKが不足することもある
ビタミンKの不足が全く起こらないわけではありません。極端な野菜不足など偏った食生活を続けることで、体内のビタミンKが不足することがあります。
病気で栄養状態が悪化している方、老化によって満足な食事が摂れない高齢者は注意が必要です。
また加齢によって膵液や胆汁の分泌量が低下すると、腸内細菌が生成したビタミンKを体内に吸収する力が低下し、ビタミンK不足に陥ることがあります。
ほかにも抗生物質を長期間投与することで、腸内細菌の多くが死滅して、ビタミンKを生成する力が低下しビタミンK不足に陥ることがあります。
コエンザイムQ10がビタミンKの働きを補う
そこで頼りになるのがコエンザイムQ10です。ビタミンK様作用を持つコエンザイムQ10がビタミンKの働きを補い、血液の凝固を促してくれます。
体内で利用されるコエンザイムQ10の約半分は、全身の細胞によって生合成されています。さらに肉や魚、油脂類など私たちが毎日のように口にしている幅広い食品から摂ることができます。
このためにビタミンのような欠乏症はないとされています。最近ではコエンザイムQ10を配合したサプリメントが普及していますから、より手軽に摂ることができます。
ビタミンKの不足が心配な方はサプリメントなどからコエンザイムQ10を積極的に摂ると良いでしょう。
併用によって作用が増強される恐れはない
コエンザイムQ10とビタミンKを併用する際に、作用が増強されてしまうのではと気にする方もいるでしょう。血液凝固作用が強くなりすぎると、血流が悪化して血栓ができることも考えられます。
ですがビタミンKは食品から摂取している限り、摂り過ぎによって副作用が発生する恐れはありません。このためコエンザイムQ10と併用しても作用が増強される恐れはないと考えられています。
コエンザイムQ10とビタミンKの併用による危険性を指摘する研究結果は報告されていません。もちろん併用したからといって血栓が作られる恐れもないため、安心して摂ることができます。
コエンザイムQ10とビタミンKを併用する際の注意点
ワルファリンを服用している方はコエンザイムQ10とビタミンKの摂取を控える
血栓を溶かす薬であるワルファリン(ワーファリンカリウム)を服用している方は、薬の作用を弱くしてしまうため、コエンザイムQ10とビタミンKの摂取を控えてください。
血栓が作られやすい血栓塞栓症や心筋梗塞などの持病がある方は、処方されている薬を確認してください。
持病がある方はかかりつけの医師に相談する
持病がある方は薬の作用に影響する可能性があるため、サプリメントの利用を開始する前に必ずかかりつけの医師に相談してください。
サプリメントは成分が濃縮されているため、体を刺激する恐れがあります。持病への影響や飲み合わせの判断には専門的な知識が必要です。自分で判断せずに医師の指示を得てください。