倦怠感の緩和にコエンザイムQ10
慢性疲労症候群にコエンザイムQ10
6ヶ月以上に渡った疲労感が続いたり、一度治まってもまた繰り返される状態を「慢性疲労」と呼びます。
慢性疲労の状態にあるからといって病気とは限りませんが、もしかしたら「慢性疲労症候群」の可能性があります。
慢性疲労症候群とは原因不明の疲労や倦怠感が6ヶ月以上続く病気のことです。
これまでのところ慢性疲労症候群を治療する有力な方法は見つかっていません。
そこでいま注目されているのが優れた疲労回復効果を持つコエンザイムQ10です。
コエンザイムQ10には全身の細胞を活性化させることで、エネルギー産生効率を高める働きがあります。肉体的な疲労の回復を早め、疲労が蓄積されるのを防ぐことで、倦怠感やだるさを緩和する効果が期待されています。
- 【コエンザイムQ10の効果を示す試験結果】
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慢性疲労症候群の患者17名を対象に、コエンザイムQ10を1日150mg、3ヶ月摂ってもらいました。摂取前と摂取後の変化を疲労、睡眠、うつなどの自覚症状の得点や計算課題などで評価しました。
その結果、コエンザイムQ10の血中濃度が有意に増加を示し、作業効率の改善や睡眠の改善が認められました。(参考元1)
コエンザイムQ10は自律神経の乱れを整えて倦怠感を解消する
自律神経の働き
倦怠感やだるさが長期間続く原因として自律神経の乱れが挙げられます。脳が発した指令は自律神経を通して各器官に送られます。
人間の体は自律神経によって臓器を動かしたり、体温を調整したりといった生理作用をコントロールしているのです。
自律神経には緊張や興奮を感じた時に優位になる交感神経と、心身がリラックスした時に優位になる副交感神経があります。この二つの自律神経を交互に切り替えることで体の機能を正常に保っています。
交感神経は仕事や家事などで活発に活動する日中の時間帯に強く働き、副交感神経は朝と夜の時間に優位になります。
自律神経の乱れが倦怠感やだるさを引き起こす
ところが強いストレスやホルモンバランスの乱れによって自律神経のバランスが乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできなくなります。
例えば夜になっても緊張や興奮状態が持続して交感神経が強く働くと、寝ても仕事や家事で溜まった疲労を回復させることができません。
このような状態が続くと「自律神経失調症」と診断されます。生理作用をコントロールすることができなくなることで、全身の倦怠感やだるさに繋がります。
自律神経のバランスを整えて倦怠感を解消する
コエンザイムQ10には神経細胞に働きかけることで自律神経を整える作用が期待できます。
また、女性の多くは40代後半から「更年期障害」を発症しますが、ホルモンバランスが大きく乱れることで自律神経の働きにも影響を与えることが原因です。コエンザイムQ10は更年期障害によって発症した自律神経失調症に対しても効果が期待できます。
スタチン系の薬が引き起こす倦怠感
脂質異常症を治療するスタチン系の薬
血中コレステロール値が高い状態が続く「脂質異常症」は生活習慣病の一つであり、日本でも患者数が増加傾向にあります。脂質異常症は動脈硬化のリスクを高めるため、早めに対処したいところです。
そこで脂質異常症の治療薬として、血中コレステロール値を引き下げる作用を持つスタチン系の薬が使われています。ところがスタチン系の薬は有用性が認められている一方で、強い副作用が指摘されています。
コエンザイムQ10の生成が抑制されることで倦怠感を引き起こす
スタチン系の薬が引き起こす副作用の一つに、全身の倦怠感や強い疲労感に襲われるというものがあります。これは体内のコエンザイムQ10が急激に減少することで引き起こされる症状です。
実は体内でコレステロールが作られるとき、途中まではコエンザイムQ10と同じ経路を辿って合成され、その後は別々の経路を辿ります。
そのためスタチン系の薬で血中コレステロール値を引き下げようとすると、コエンザイムQ10の生合成まで抑制してしまいます。
つまりスタチン系の薬を服用していると、血中コレステロール値は改善されますが、同時にコエンザイムQ10が減少して欠乏状態に陥ってしまうのです。
コエンザイムQ10の摂取によって倦怠感が解消される
副作用の心配があるからといって血中コレステロール値が高い状態を放置するわけにはいきません。もちろん薬に頼らなくても、食事療法や運動によって解消する方法もあります。
ですがそれでも血中コレステロール値に改善が見られない場合は、スタチン系の薬を服用する必要があります。そこで一緒に摂りたいのがコエンザイムQ10です。
サプリメント先進国であるアメリカでは、コエンザイムQ10のサプリメントを併用することが常識となっています。
スタチン系の薬によって減少するコエンザイムQ10をサプリメントで補うことで、全身の倦怠感や強い疲労感といった副作用を抑えることができます。
参考元1:慢性疲労症候群に対する還元型コエンザイムQ10の改善効果について