コエンザイムQ10が高血圧を引き起こす可能性
コエンザイムQ10が高血圧を起こす可能性はある
コエンザイムQ10はもともと心臓病の治療薬として開発されました。体内のエネルギー産生効率を高めることで、心臓に必要なエネルギーを供給し、血液を押し出すポンプ機能を強化する働きがあります。
このようなことからコエンザイムQ10が高血圧を引き起こす可能性があります。
心臓のポンプ機能を強化するコエンザイムQ10
全身に血液を送り込む心臓のポンプ機能
心臓は1日10万回以上の弛緩と収縮を繰り返すことで、全身に血液を送り出しています。この役目を担っているのが心臓の筋肉である心筋です。
心筋は血液を大動脈に押し出すポンプ機能を支えています。心筋のポンプ機能を維持するために大量のエネルギーが必要です。
ポンプ機能の維持に必要なコエンザイムQ10
コエンザイムQ10は細胞の小器官であるミトコンドリアの働きを助ける補酵素です。ミトコンドリアは生命維持に欠かせないATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー源を作り出しています。
体内でこのATPを最も必要としている器官は、24時間365日休みなく動き続ける心臓です。ポンプ機能を支える心筋には多くのミトコンドリアが存在し、大量のエネルギーを供給しています。
そしてミトコンドリアの働きを助けるためにコエンザイムQ10もたくさん必要です。
コエンザイムQ10を摂ると心拍出量が上がる
もともとは心臓病の治療薬
コエンザイムQ10はもともと心臓機能が低下する「うっ血性心不全」の治療薬として開発された経緯があります。心不全は心臓のポンプ機能が低下することで引き起こされる病気です。
心拍出量の上昇によって血圧が高くなる可能性がある
コエンザイムQ10には心臓が血液を送り出す「心拍出量」を上げる働きがあります。これは血管を流れる血液の量が増えることを意味しています。
心拍出量が上がることで血行を良くする効果が期待できます。一方で押し出された血液によって大動脈に圧力がかかり、上の血圧である「収縮期血圧」が高くなる可能性があります。
何事もバランスが大切で、必ずしも心臓機能を高めることが健康に繋がるとは限らないのです。
心臓機能に問題のない方がコエンザイムQ10を摂ることで、心臓が興奮状態に陥り、血圧が上昇する可能性も否定できません。
特にもともと血圧が高めの方がコエンザイムQ10の摂ると、心拍出量が上昇して血圧がさらに高くなる恐れがあります。
可能性は低いと考えられていますが、血圧が高めの方がコエンザイムQ10を摂る場合は、血圧の変化に注意しましょう。
過剰摂取が引き起こす副作用
コエンザイムQ10は私たちの体内にもともと存在する成分であり、副作用が少なく、安全性の高さが認められています。
とはいえ全く副作用のリスクがないわけではありません。コエンザイムQ10を過剰摂取することで、「体がほてる」「動悸がする」といった血圧とも関連のある副作用が報告されています。
コエンザイムQ10は心臓に働きかける成分ですから、摂り過ぎることで血圧に影響を与える可能性があります。
サプリメントなどからコエンザイムQ10を摂る際は、パッケージに書かれている1日の摂取目安量を守り、摂り過ぎないようにしましょう。
低血圧の治療薬との併用には注意が必要
低血圧の治療薬を服用している方は、コエンザイムQ10と併用することで作用が増強されて、血圧が正常な数値を超えて上がりすぎる恐れがあります。
低血圧に限らず化学療法によって血圧をコントロールしている方は、コエンザイムQ10の摂取によって治療に影響を与える可能性があります。
血圧に関する持病がある方はコエンザイムQ10の摂取を開始する前に、必ずかかりつけの医師に相談してください。そして治療薬との併用については、医師の適切な指導のもとで行ってください。
まずは2週間摂って様子を見る
コエンザイムQ10を摂ることで体調にどのような変化が現われるかは、摂ってみなければ分かりません。どんなに体に良い成分でも効果には個人差があるからです。
血圧にどのような影響を与えるかは、摂ってみなければ分からないのです。そこでまずは2週間程度試すことをお勧めします。一般的にコエンザイムQ10は2週間摂ることで体調になんらかの変化が現われます。
2週間摂ることで自分の体に合っているかどうか、効果を実感できるかどうか知ることができます。体調不良を感じたときは速やかに摂取を中止してください。