コエンザイムQ10の一日の目安量
コエンザイムQ10は1日にどれくらい摂取すれば良いのか
さまざまな目安量が推奨されている
疲労回復や老化予防に有効なコエンザイムQ10は、サプリメントから気軽に摂ることができます。健康のために習慣的に摂っている、摂りたいと考えている方が多いのではないでしょうか。
そこで気になるのが「1日にどれくらいの量を摂れば良いのか」という問題です。推奨する1日の摂取目安量は専門家やメーカーによって異なり、30~300mgまでとかなりの幅があります。
医薬品は1日30mgが上限
コエンザイムQ10はもともと軽度の心不全の治療薬として開発されました。1973年に医薬品として承認され、1974年に販売が開始されました。
1991年には薬局でも誰でも購入できるOTC医薬品として認められました。医薬品は用法用量を守って服用しなければいけません。医薬品としてのコエンザイムQ10は、厚生労働省によって1日の摂取量を30mgまでと定められています。
サプリメントでは1日の摂取量300mgが上限
ところが今日では1日の摂取量が30mgを大きく超えるサプリメントが数多く販売されています。医薬品では認められていませんが、サプリメントなどの健康食品では1日に300mgまで摂ることができます。
混乱するかもしれませんが、これは業界や専門家の強い要望によって内閣府の機関である食品安全委員会が再検討を行った結果です。
その中で事業者が安全性を確認することなどを条件に、1日の摂取量上限が300mgまで事実上容認されました。ですから厚生労働省がお墨付きを与えているわけではありません。
健康増進や老化予防には60~100mg摂りたい
専門家の多くは健康増進や老化予防を目的とする場合、1日に60~100mg摂ることを推奨しています。この量を1日2~3回に分けて、食後に摂りましょう。
コエンザイムQ10は肉や魚、植物油など私たちが身近に口にする多くの食品に含まれています。しかし、食事だけでは1日に必要な量を摂ることは困難です。
そこでより気軽に摂ることができるサプリメントが開発されました。多くのサプリメントは1回分30~60mg程度配合されていますから、パッケージに書かれた目安量に従うだけで必要な量を摂ることができます。
運動のパフォーマンス向上には150~300mg
激しい運動を行うアスリートや趣味でスポーツを行う方は、普通に生活している方よりも多くのエネルギーを消費します。
特に筋肉は運動機能を支える重要な器官です。コエンザイムQ10には運動のパフォーマンスを高める働きが期待されています。もちろん運動後の疲労回復にも有効です。
激しい運動を行う方は1日150~300mgを目安に摂ると良いでしょう。なおこの量は厚生労働省が承認しているわけではありません。最近ではアスリート向けのサプリメントも販売されていますから、活用を検討してみてください。
病気治療を目的とするなら100~300mg
病気治療を目的にコエンザイムQ10を摂る場合はより高い効果を引き出すために、1日100~300mg摂りたいところです。なおこの量は厚生労働省が承認しているわけではありません。
優れた疲労回復効果や抗酸化作用を持つコエンザイムQ10は、さまざまな病気の治療に使われています。また病気になると体内のコエンザイムQ10が不足するため、たくさん摂って不足分を補う必要があります。
例えば慢性疲労症候群では1日100mg、筋ジストロフィーなどの筋神経疾患では1日150~300mg、ステロイドホルモンの副作用防止には1日200~300mg必要とされています。(参考元1)
本当に30mgを超えて摂取しても大丈夫か
コエンザイムQ10は副作用が少なく安全性の高い成分
コエンザイムQ10の1日の摂取目安量は得たい効果によって異なります。とはいえ医薬品は30mgを上限と定められているのに、本当に30mgを超える量を摂っても大丈夫なのかと心配される方もいるでしょう。
コエンザイムQ10は副作用が少なく非常に安全性の高い成分です。財団法人日本健康・栄養食品協会は「1日摂取目安量として300mgまで安全である」ことを示すデータを厚生労働省に提出しています。
ラットを使った慢性毒性試験では、コエンザイムQ10を最大量1日600mgを26週間投与しましたが、副作用は全く確認されませんでした。(参考元1)
副作用の多くは空腹時に摂ったことが原因で発生する、胃もたれ、食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器症状です。これまでにコエンザイムQ10による死亡事故は発生していません。
それでも心配な方は少しずつ量を増やすとよい
それでも心配な方は最初は少なめに摂って、体調に問題がなければ少しずつ量を増やすことをおすすめします。その際には必ずかかりつけの医師やコエンザイムQ10に詳しい薬剤師に相談してください。
まずは2週間摂る
まずは2週間程度摂ってみて、症状や体調の変化を観察しましょう。分かりやすい変化としてコエンザイムQ10が効いてくると、まず手足が温かくなり、疲労感が少しずつ取れてきます。
症状が改善された場合は1日に摂る量を減らすこともできます。逆に全く効果が実感できない場合は、摂取量が足りないのか、自分の症状に合っていないのか判断が分かれるところです。この場合はかかりつけの医師に相談してください。
参考元1:「コエンザイムQ10」で元気が出る、病気が治る! 永田勝太郎著 日本文芸社