コエンザイムQ10の保湿効果
コエンザイムQ10は、肌細胞に必要なエネルギーの産生を促進して、肌細胞を活性化させる働きがあります。また、様々な肌トラブルの原因となる物質を除去する働きもあり、肌の潤いを保つために必要なコラーゲンの分解を防ぎます。
このようなコエンザイムQ10の働きは、肌本来が持つ保湿機能のアップに効果的です。
普段のスキンケアに合わせてコエンザイムQ10を取り入れましょう。
加齢による肌の変化が乾燥の原因
- 詳しい情報(クリック)
-
年齢とともに潤いを失っていく肌、毎日スキンケアを行っているのに肌が乾燥するのはなぜなのでしょうか?
その原因の一つは加齢による肌の変化です。肌は外側から順番に表皮、真皮、皮下組織の三つの層によって構成されています。
中高年になると空気が乾燥する冬場に肌がカサカサし、時には痒みが生じるのは、表皮の水分量が低下しているためです。
これは単にスキンケアが不十分だから起こるわけではありません。加齢によって真皮の血管床が減少することで、表皮に十分な量の水分と栄養を供給できなくなっているのです。
さらに表皮の細胞が活性を失うことで代謝が悪くなり、肌の水分を保持する働きをする角化細胞の機能が低下してしまいます。
活性酸素が肌の保湿機能を低下させる
肌を老化させる活性酸素
- 詳しい情報(クリック)
-
肌が紫外線を浴びると体内で活性酸素が作られます。酸素は細胞を動かすエネルギー源ですが、活性酸素は周辺の細胞を酸化させることで錆つかせてしまいます。
肌細胞は活性酸素による酸化によって傷つけられ、活性を失い老化していきます。肌が老化するとセラミドやアミノ酸などの保湿成分が減少するため、外気によって乾燥しやすくなります。
活性酸素が引き起こす動脈硬化も潤いを失う原因に
- 詳しい情報(クリック)
-
活性酸素によって血液中の悪玉コレステロールが酸化することで動脈硬化が引き起こされます。血管が硬く狭くなることで血流が悪化し、真皮層に張り巡らされた毛細血管に十分な栄養を送ることができなくなってしまいます。
真皮層は肌の潤いや弾力を保つコラーゲンやエラスチン、保水効果のあるヒアルロン酸などによって構成されています。血流の悪化によって必要な栄養が不足すると、これらの成分がタメージを受けて潤いや弾力が失われてしまいます。
コラーゲンを分解する活性酸素
- 詳しい情報(クリック)
-
肌が強い紫外線を浴び続けると、体内で発生した活性酸素によって保湿成分であるコラーゲンが深刻なダメージを受けます。これはコラゲナーゼと呼ばれる酵素によってコラーゲンが分解されてしまうためです。
コラーゲンは40代を過ぎると自然に減少していきますが、残ったコラーゲンも強い紫外線を浴びることで分解が進みさらに失われてしまいます。
コラーゲンが著しく減少すると、水分を十分に保つことができなくなり、肌が乾燥しやすくなります。
肌細胞を活性化するコエンザイムQ10
エネルギー産生の効率を高めるコエンザイムQ10
コエンザイムQ10には体内のエネルギー産生の効率を高める働きがあります。私たちの体は60兆個もの細胞によって構成されています。
細胞の一つ一つにはミトコンドリアという小器官が存在し、体を動かすエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)を作り出しています。
このミトコンドリアの働きを助けているのが、補酵素であるコエンザイムQ10です。体内にコエンザイムQ10があるのとないのとでは、エネルギー産生の効率が約28倍も違うと言われています。
必要なATPを供給して角化細胞を活性化する
加齢によって不足するATP
ところが年齢を重ねるとミトコンドリアが作り出すATPの量が低下し、エネルギーが不足しやすくなります。これはミトコンドリア自体が減少することに加え、加齢によって体内で生合成されるコエンザイムQ10の量が低下するためです。
肌の水分を保持する角化細胞も同様です。ATPが不足することで新陳代謝が悪くなり、角化細胞が活性を失うことで十分な水分を保持することができなくなります。
コエンザイムQ10を補って角化細胞を活性化する
肌の水分保持機能を低下させないためには、角化細胞に十分な量のATPを供給する必要があります。そのために摂りたいのがコエンザイムQ10です。
加齢によって減少するコエンザイムQ10をサプリメントなどから補うことで、ミトコンドリアが活性化されてATPの産生が促されます。角化細胞に十分な量のATPが供給されることで、肌から水分が失われにくくなり乾燥から守ってくれます。
コエンザイムQ10の抗酸化作用が保湿機能の低下を防ぐ
コエンザイムQ10の抗酸化作用
コエンザイムQ10には体内で増えすぎた活性酸素を除去する優れた抗酸化作用が認められています。ただし、全てのコエンザイムQ10に抗酸化作用があるわけではありません。
コエンザイムQ10は大きく分けて酸化型と還元型があります。このうち抗酸化作用を持つのは還元型のみです。一方の酸化型も体内で還元酵素によって還元型に変換されるため、全く効果がないわけではありません。
活性酸素を除去して保湿機能の低下を防ぐ
コエンザイムQ10によって活性酸素が除去されることで、肌の老化によってセラミドやアミノ酸などの保湿成分が減少するのを防いでくれます。
さらに抗酸化作用によって血流が改善されるため、肌に十分な栄養が送られるようになり保湿機能の低下を防いでくれます。
紫外線によるコラーゲンの分解を防ぐコエンザイムQ10
コラーゲンは肌の潤いを保つために欠かせない成分です。コエンザイムQ10は紫外線によって発生した活性酸素によって、コラーゲンが分解されるのを防いでくれます。
そのメカニズムは、コエンザイムQ10が活性酸素による肌細胞の酸化を防ぎ、それによってコラゲナーゼの働きが抑えられるためとされています。コラーゲンの分解が抑制されることで、肌から水分が失われにくくなります。
肌の潤いを保つスキンケアも大切
コエンザイムQ10を摂るだけでは潤いを保てない
このようにコエンザイムQ10には角化細胞にATPを供給し、紫外線によって発生した活性酸素によってコラーゲンが分解されるのを防ぐ働きがあります。
とはいえ、コエンザイムQ10を摂るだけでみずみずしく潤いに満ちた肌が保てるわけではありません。コラーゲンやヒアルロン酸などの保湿成分は、加齢によって自然に失われていくからです。
毎日のスキンケアが大切
- 詳しい情報(クリック)
-
肌の潤いを保つためには、保湿成分を逃がさないための毎日のスキンケアが大切です。丁寧にケアを行うことで肌のバリア機能が保たれ、保湿成分の減少を最小限に抑えることができます。
まずコラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、コエンザイムQ10などを配合した基礎化粧品で、減少した保湿成分を補い、角質層(表皮の最も外側にある層)を整えてバリア機能を高めましょう。
スキンケアによってバリア機能が高まると、肌から水分が失われにくくなり、外気による乾燥から潤いを守ってくれます。仕上げに乳液やクリームで肌に蓋をして、潤いを閉じ込めることを忘れずに行ってください。
UVケアを忘れずに
- 詳しい情報(クリック)
-
優れた抗酸化作用を持つコエンザイムQ10がいくら体内の活性酸素を除去してくれるとはいえ、肌の老化の原因となる強い紫外線は避けるに越したことはありません。日差しの強い日中に外出するときはUVケアを忘れずに行いましょう。