高脂血症予防にコエンザイムQ10
代謝を活性化して高脂血症を予防するコエンザイムQ10
コエンザイムQ10には体内のエネルギー産生効率を高めることで、代謝を活性化する作用があります。これにより肥満やメタボリックシンドロームを改善する効果があります。
そこで期待したいのが血液をドロドロにする中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の増加を抑制し、「高脂血症」を予防する効果です。
高脂血症が予防されることで、血管の健康を保つことに繋がり動脈硬化の進行を防ぐことができます。LDL-コレステロール値が140を超えている方は、コエンザイムQ10を積極的に摂り、適度な運動を行うと良いでしょう。
代謝を高めて中性脂肪や悪玉コレステロールを抑制する
エネルギーとして使われなかった脂質が中性脂肪や悪玉コレステロールになる
食事から摂取した脂質は小腸で脂肪酸に分解されてから吸収されます。細胞の小器官であるミトコンドリアでは、脂肪酸を内部に取り込んでエネルギーを作り出しています。
ところが消費されるエネルギーよりも摂取した脂質が多すぎると、使われなかった分が中性脂肪や悪玉コレステロールへと変わってしまいます。
エネルギー産生効率を高めるコエンザイムQ10
コエンザイムQ10はミトコンドリアの働きを助ける補酵素として存在しています。ミトコンドリアでは生命活動に欠かせないATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを作り出しています。
コエンザイムQ10によってミトコンドリアが活性化されると、ATPの生成が促されて、エネルギー産生効率が高まります。
ミトコンドリアが活発に働くことで、取り込まれる脂質の量が増えてエネルギーに変わるため、基礎代謝(※1)の向上に繋がります。
(※1)運動を行わず普通に過ごしているだけで消費される、生命活動に最低限必要なエネルギーの代謝。
脂肪が燃焼されることで血中中性脂肪と悪玉コレステロールの増加を抑える
コエンザイムQ10によって基礎代謝が向上すると、脂肪が燃焼されやすくなります。使われずに残る脂質の量が減るため、中性脂肪や悪玉コレステロールの増加が抑制されます。
その結果として、血液中の中性脂肪値と悪玉コレステロール値の上昇が抑えられ、高脂血症の予防に繋がります。
高脂血症の予防には運動が必要
コエンザイムQ10の摂取によって代謝が向上しても、全く運動しなければ十分な効果が得られず、中性脂肪や悪玉コレステロールの増加を防ぐことができません。
高脂血症の予防には適度な運動が必要です。ウォーキングやジョキングなどの有酸素運動を取り入れましょう。軽い運動でも毎日続けることで、エネルギーが消費されて脂肪の蓄積を防ぐことができます。
またコエンザイムQ10には疲労回復を促す作用があり、運動前に摂ることで疲労の回復が促されます。疲れを感じにくくなることで、体に負担をかけることなく運動を続けることができます。
関連記事:コエンザイムQ10でメタボリックシンドロームを改善する
スタチン系の薬が引き起こす副作用を抑える
スタチン系の薬はコレステロールの合成を抑制する作用があり、高脂血症の治療によく使われます。
ところがスタチン系の薬を服用すると、体内のコエンザイムQ10が欠乏して、酷い倦怠感や疲労感、筋肉痛や筋力低下などの副作用が引き起こされます。
コエンザイムQ10は全身の細胞で生合成されています。そのため普通であれば欠乏状態になることはないとされています。
ですがコエンザイムQ10とコレステロールの合成経路は途中まで同じため、スタチン系の薬によってコエンザイムQ10の合成まで阻害されてしまいます。
高脂血症の治療にスタチン系の薬を服用している方は、サプリメントからコエンザイムQ10を積極的に摂ることで、副作用を抑えることができます。
DHA・EPAと併用するとより効果的
コエンザイムQ10には血中中性脂肪値と悪玉コレステロール値そのものを引き下げる作用はありません。そこで併用したいのが青魚に多く含まれることで知られるDHA・EPAです。
この二つの成分には血液をサラサラにし、血中中性脂肪値と悪玉コレステロール値を下げる作用があります。コエンザイムQ10と一緒に摂ることで相乗効果が期待でき、高脂血症の予防に繋がります。
